自信 | 2023/05/27

2023/05/27

哲学カフェ『自信』まとめ

文章:まさき
編集:TDKR

※この文章に関しては、まさきが執筆し、その後の編集はTDKRさんがしています。まさきの考えている、あるいは感じている箇所についてはオレンジTDKRさんの場合は青字で記入しています。

1.できる/できないと自信の関係
自己紹介の中で、できる/できないことと自信の関係から話を始めました。
 できる/できないと自信の関係は、その行動ができるかどうか未知の場合において特に生じやすいのではないかと考えています。

2.実績と自信の関係
・実績とは経験のことなのか?
・自分の得意なことを把握しておくと、立ち回りがしやすくなる。
という話が出ました。
 会の中では話せませんでしたが、経験の整理(振り返り)ができていないと自信がつけられないのでは? と考えていました。
 自信の構築において特に重要なファクターは「準備」であると考えています。この準備は多岐にわたりますが、経験の整理(振り返り)も一つの準備であると捉えています。

3.マイナスの自信
「自信はマイナスもあるのか」? という発言を発端に、「環境のせいにはしたくないが、軽い気持ちで引き受けた役割で大変な思いをし、自信もろともコナゴナになった。今は他者から『もっと自信をもってもいいんじゃない?』とよく言われるが、自信があると言えない。この状態から自信を培うのは大変」というエピソードが出ました。その後に、失った自信の負債(マイナスの自信)に対しての返済期間があったのでは? という意見が出ました。
また他の視点として、幼少期にどう育ったか? 何をやっても褒められたか、怒られていたかで差が出るのではないかという意見も出ました。
 わたし(まさき)自身のエピソードとして「小学校のテストで100点でなければ怒られていた。今振り返ると当時は焦燥感があり、いろんなことが早く終わってほしいと思っていた。そして当時はそれを自覚できていなかった」と話しました。もし、このままではダメだ、もっと上昇しなければと焦燥していればいるほど自尊心≒自信は身につきにくいとも思っています。自尊心とはこのまま生きていていいという自信であると思っています、という話もしました。
 自尊心と自信の差異については、自尊心が自分のベースを守る内向きへの要素があり、自信は外向きへの発信の要素があると考えています。このように考えると、自尊心の方が、自信よりも前提として存在しているのかもしれません。

4.期待値と自信
3のエピソードを受け、自分への期待値の高低が関係しているのではないかという話が出ました。楽観し期待値を低くすることで(本当はボロボロだとしても)自信をもつことはできる。むしろ、完璧を目指し期待値を上げると、上手くいかないことに対して「こんなはずじゃない」と自信をなくすのではないかという意見が出ました。
この意見に対しては、楽観というよりも現実的な考えだと思う。本人の意識よりもまわりの環境が大事だと思うという意見も出ました。

5.他者に認められる/認められないことによる自信
VRChatではソーシャル欄でフレンドが一覧的に見えてしまうため、「自分は他者から選ばれていないんだ」と感じてしまう。そうすると自信がなくなる。他者から認められることを自信のベースにすると、自信のブレが大きくなる。これはよくないことだとも思ってはいるがどうにもそう感じてしまうという意見がありました。

6.居場所の構築
VRChatでの企画で初期に(ある程度見込み通りの)好評が得られたかどうかが、その後の活動に影響する。他者の反応を見て改善していくことが重要である。

7.他者の視点
・居場所を順当に獲得していく人の一つのパターンとして、他者の視点を考慮している場合が多いと感じている。
・どのくらいアクションできるかは自信が大事。
 3、4、5、6に共通する考えとしては、他者が存在していることを前提としてアクション(行動)をしていることだと思っています。そして、この前提をその人の自信のベースのどの程度まで依拠しているかで、実際のアクションも変動していくと思います。また、アクションからも自信が形成されていくと考えているので、アクションと自信は連関するものだと捉えています。

8.自信/自負/実績の差
・たとえ自信がなくても、継続していれば実績を積み重ねることになる。すると周りの人たちから期待の目で見られることが増え、自負せざるを得なくなる。自信がなくてもやってみたらできる。実績は確固たる証拠として残る。
・実績は目に見える形で残るため、他者からも見えやすい。
ここから自信と自負の差について、
・自負は特定の要素について生じるもの
・自負は自分への尊敬→誇り
・これらは同じジャンル(レイヤー)では? 自負は日常的には言わないので説得力が生まれやすい。
・自負と自信は向いている方向、ベクトルが違う。自負はすでにやったこと(実績)がベースのため過去への方向軸があり、自信はまだ訪れていない未来への軸がある、という考えが出ました。
 上記までの流れで、実績→自負(過去)→自尊心(守り)、自信(未来への発信)→行動→実績→自負…というサイクルがあると考えています。

9.自分を認めてくれる環境の必要性
エピソードとして「身を置く場所を思い切り変えたことがある。元いた場所はボロクソに言われるし、価値観も狭いところだった。しかし、新しい場所はやったらやった分(やらなかった分も)反映されるところだった。またそこの人たちも多分野であり、それぞれが得意なことを尊重できるところだった。広い視野になることで、自分の他者を見る目も変わった」という話が出ました。
・初手でいきなり適切な評価がある環境だと、それを適切と認識できるか?
→やはり前後の関係で、比較対象があったから適切な評価を受け取れた。

このことは適正な他者評価の重要性が一定はあるものの、同じ環境だとしても、誰もが同じように歩めるかというとそうではないという意見もありました。
 わたし自身、居場所を変えた/変わったことが何度かあり、紆余曲折はあったけどそれによって今があると思っているため、この話は興味深かったです。

10.自分探しの旅と登山
場所/環境を見比べる行動の例えとして、日本一周自分探しの旅と登山が挙げられました。
・リタイアしてもまた挑戦し、何かしら困難なことを達成できたことが大きな成果になる。自分探しの旅をイタいとだけ思うのはもったいない。
・極端に言うと、道中の話が面白い。極地に行くほど、伝わる人が少ないほど、到達地点の人同士の話が面白い。
・やった人にしかわからない出来事があると、やった価値があったなと思う。
・登山は人生の縮図である。人生は登りのあいだは苦しいことばかりで、頂上に着いたら死ぬ。ただし登山はそこから下りられる。転生して生まれ変わり現世に戻れる。
 やった人にしかわからないというのが面白いと思いました。いいなあ、自分もなんかやってみようと思って行動できると面白いと思います。

11.自信しかない/自信がまったくない
自信しかない形式と自信がまったくないの中身の行程に差異がありましたが、出力として生じた結果については意見が一致するという話になりました。
 どうやら両極端になると同じようなところに行きつくようです。

■さいごにあらためて…

 最近までわたしは7、9に出てきた他者の視点というものがなく、焦燥感にまみれていました。物事を白か黒かだけで捉えがちでしたが、他者の視点の存在と、自分自信への自覚を意識するようになると、まだ焦燥感はあるものの、以前よりも気持ちがラクになってきています。今回の自己紹介で「自信がないと自覚するようになってきた」と言ったのはこのためです。
 またよろしくお願いします。
 

まさき
 今回のテーマ『自信』において
 ・自分と他者の関係のラインをどのように設定しているか
 ・準備(経験の整理)の方法(そもそも準備とはなにか)
 ・実績→自負(過去)→自尊心(守り)、自信(未来への発信)→行動→実績→自負…のサイクルは実際に成り立っているのか

上記3点は今後も考えていきたいなと考えています。またお話ししましょう~
TDKR



戻る